メタフィールドの設定と活用方法
メタフィールドを活用すると、SHOPLINEの管理画面に追加フィールドを保存し、ストアの外観や機能を柔軟にカスタマイズできます。これにより、商品ページやストアデザインに個別の設定を適用し、さまざまな表示効果を実装することが可能になります。
たとえば、次のようなカスタマイズができます:
- 商品詳細ページに、商品ごとに異なるユーザーマニュアルを追加
- 特定のカテゴリに、異なる割引情報を表示
- 衣類商品に、素材の詳細や洗濯方法を掲載
- ジュエリー商品に、カラット重量の情報を表示
メタフィールドを活用することで、より詳細な情報を管理し、顧客に最適なショッピング体験を提供できます。
メタフィールドの設定方法
メタフィールドは特定のモジュールに紐づいているため、使用する前に対象のモジュールを決定する必要があります。現在、メタフィールドは次のモジュールで利用できます:商品、商品バリエーション、商品カテゴリ、ページ、顧客、ブログ、ブログカテゴリ、注文。
注: エンタープライズプランを利用している場合、メタフィールドは会社モジュールにも対応しています。 |
手順
- メタフィールドの基本情報を入力します。
- SHOPLINEの管理画面でメタフィールドに値を割り当てます。
- ページエディタで動的ソースを挿入する、またはSHOPLINEレイアウトエンジンにコールコードを追加します。
メタフィールドの紹介
メタフィールドの基本情報の入力
メタフィールドを作成する際には、以下の情報を設定します。
- フィールド名:メタフィールドの名称(例:「商品の素材」)
- OwnerResource:メタフィールドが紐づくリソースの種類(「OwnerResource Type」とも呼ばれる)。例:商品、カスタムページなど
- OwnerID:メタフィールドが属するOwnerResourceのID(例:商品AのIDは1605898661)
- Namespace(名前空間):一連のメタフィールドを整理するためのコンテナ。異なるビジネスオーナー間で同じキー名の競合を防ぐ役割を持つ(例:my_fields)
- Key:メタフィールドの識別子。特定のメタフィールドを参照するためのコード(例:materials)
- データタイプ:メタフィールドに格納するデータの種類(例:1行テキスト、URL、整数など)
- 説明:メタフィールドの用途を示す説明文。値を設定する際の参考情報となる(例:「ジュエリーの素材情報を入力してください」)
- 値:メタフィールドに保存される具体的なデータ(例:925シルバー)
メタフィールドのデータタイプ
メタフィールド機能で利用可能なデータタイプは以下の通りです。
データタイプ | サブクラス | 値リストのサポートの有無 | 機能 | ユースケース |
テキスト | 1行テキスト | はい | 1行のプレーンテキスト入力をサポートします。 | 商品に配送通知を追加します。 |
複数行テキスト | はい | 複数行のプレーンテキスト入力をサポートします。 | 商品に製品の成分表を追加します。 | |
カラー | なし | はい | #RRGGBB形式のRGB値をサポートします。 | ページに背景色を追加します。 |
Json | なし | いいえ | 高度なユースケースのための生のJSONデータをサポートします。 | ストアページにカスタムモジュールを追加します。 |
数値 | 整数 | はい | 整数のみの入力をサポートします。 | 書籍商品の特定のページ数情報を追加します。 |
小数 | はい | 整数+小数の入力をサポートします。 | 商品詳細ページに宝石のカラット情報を追加します。 | |
URL | なし | はい | HTTP、HTTPS、およびmailto: の追加をサポートします。 | 商品詳細にURLリンクを追加します。 |
日付と時刻
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日付 | はい | ISO 8601形式の日付値をサポートし、タイムゾーンなしでの時刻値をサポートします。 | 商品の有効期限日、注文配送日、または顧客の誕生日を追加します。例:2022-05-28。 |
日付と時刻 | はい | ISO 8601形式の日付値とUTC時刻の値をサポートします。 | 2022-01-01T12:30:00 | |
真偽 | なし | いいえ | ブール型、条件が真か偽かを選択するチェックボックスを作成します。 | オプションの有無を追加します。たとえば、商品に刻印できるかどうか。例:true。 |
計測
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重さ | はい | 整数および小数値をサポートします。重さは、kg、g、lb、ozなどのメートル法またはインペリアル単位で測定されます。 |
商品や原料の重さを追加します。たとえば、砂糖のグラム数。 例:{"value":3.0,"unit":"oz"}。 |
サイズ | はい | 整数および小数値をサポートします。サイズは、mm、cm、m、inch、foot、codeなどのメートル法またはインペリアル単位で測定されます。 |
サイズ:包装箱の高さや商品の長さを追加します。たとえば、マフラーの長さ。 例:{\"value\":2.0,\"unit\":\"in\"}。 |
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容積 | はい | 整数および小数値をサポートします。容積は、単一の値と容積単位でメートル法またはインペリアル単位で測定されます。有効な単位値:ml、cl、l、m3(立方メートル)、us_fl_oz、us_pt、us_qt、us_gal、imp_fl_oz、imp_pt、imp_qt、imp_gal。 |
容積:水コップの容量を追加します。 例:{"value":1.0,"unit":"us_fl_oz"}。 |
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評価 | なし | はい | 評価やスターレーティングの設定をサポートしています。 |
商品にユーザー評価またはスターレーティングを追加します。 例:{\"value\":\"5\"}。 |
参照
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商品 | はい | オンラインストア内の商品を参照することをサポートしています。 |
おすすめ商品を設定して、オンラインストアの商品ページや商品カテゴリページに表示します。 例:gid://shopline/Product/160589866。 |
商品バリエーション | はい | オンラインストア内の商品バリエーションを参照することをサポートしています。 | 同じ色の他の衣類商品を商品ページに表示します。例:gid://shopline/ProductVariant/1805951613。 | |
カテゴリ | はい | オンラインストア内のカテゴリを参照することをサポートしています。 | 例:gid://shopline/collections/1225615767。 | |
ページ | はい | オンラインストア内のカスタムページを参照することをサポートしています。 |
商品のためのポリシーページや詳細な取り扱い説明を挿入します。 例:gid://shopline/Page/59592784。 |
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ドキュメント | はい |
画像:ストアのドキュメントライブラリを参照するか、10MBまでのJPG、JPEG、PNG、またはGIF形式の画像をアップロードしてください。
PDF:ストアのドキュメントライブラリを参照するか、10MBまでのPDFファイルをアップロードしてください。 |
gid://shopline/MediaImage/59301914
gid://shopline/GenericFile/596207872 |
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お金 | なし | いいえ | ストアの通貨と一致する通貨コードを持つ金額。 | {\"amount\":\"2\",\"currency_code\":\"USD\"} |
メタフィールドの作成
以下は、商品モジュールのメタフィールドを作成する例です。
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SHOPLINEの管理画面から、設定 > メタフィールド に移動します。
-
作成したいメタフィールドのモジュールを選択します。現在、次のモジュールに対してメタフィールドを作成できます:商品、商品カテゴリ、商品バリエーション、ページ、顧客、ブログ、ブログカテゴリ、注文。
ここでは例として、「商品」モジュールを選択します。
- [フィールドを追加] をクリックします。
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詳細を入力し、完了したら [追加] をクリックします。
- フィールド名:SHOPLINEの管理画面でメタフィールドを識別するための名称です(例:「色」)。
- 名前空間とキー:メタフィールドを一意に識別するための設定。名前空間を利用すると、類似のメタフィールドをグループ化できます(例:「custom.color」)。ただし、名前空間とキーの組み合わせは重複しないようにする必要があります。
- 説明(オプション):メタフィールドに入力する値や用途に関する補足情報を記載できます。
- データタイプ:メタフィールドに保存するデータの種類です(例:テキスト、ドキュメント、URL)。単一のデータタイプだけでなく、複数のデータタイプを組み合わせて設定することも可能です。
- これで、作成が完了しました。
メタフィールドへの値の割り当て
メタフィールドが作成されたら、メタフィールドに値を割り当てることができます。
- 事前に作成したメタフィールドが適用されるモジュール(例:商品)を選択します。
-
SHOPLINEの管理画面から商品ページに移動し、値を割り当てたい特定の商品を選択します。今回は、最初の商品を選択し、詳細ページを開きます。
-
ページの下部にあるメタフィールドモジュールを見つけ、設定したメタフィールドを選択します。入力可能な値の種類は、メタフィールドのデータタイプ(例:テキスト、数値、URLなど)によって異なります。
テーマデザインでのメタフィールドの構成
エディターにメタフィールドのダイナミックソースを挿入する
メタフィールドをテーマデザインに適用する場合は、ダイナミックソースをエディターに挿入します。具体的な操作手順については、次の記事を参照してください:メタフィールド|テーマデザインでのメタフィールドの構成。
レイアウトエンジンにコールコードを挿入する
メタフィールドを作成し、値を割り当てた後、SHOPLINE管理画面の 設定 > メタフィールド で対応するフィールドのコールコードを確認できます。このコードをコピーし、オンラインコードエディターのレイアウトエンジンに挿入することで、デザインをカスタマイズできます。
注: オンラインコードエディターへのアクセスが必要な場合は、SHOPLINEにお問い合わせください。 |
効果的な活用方法
詳細情報の追加による購入体験の向上
商品詳細ページは、顧客が購入を決定する重要な要素です。特に、競争の激しいクロスボーダーEC市場においては、細部の情報が信頼性や購買意欲を左右します。販売者が独自の情報を追加することで、顧客の信頼を得るだけでなく、競争優位性を確立できます。
例えば、衣類の洗濯方法を明記したい場合、専用のフィールドを追加することで、顧客は簡単に必要な情報を確認できます。これにより、購入後の誤解を防ぎ、返品リスクの低減にもつながります。また、素材構成や原産地、サイズ情報など、製品ごとに必要なデータを柔軟に表示することも可能です。
メタフィールドを活用したパーソナライズ機能の実装
メタフィールドを活用すれば、商品情報の柔軟な表示だけでなく、ストアの運営に最適化された機能をカスタマイズできます。これにより、技術的なハードルを抑えつつ、独自のショッピング体験を提供できます。
例えば、タブ切り替えによる情報整理、関連資料のダウンロードセクションの追加、関連商品のレコメンド機能などの機能を簡単に実装できます。
タブ切り替えで製品説明を整理
商品詳細ページには、多くの情報を掲載する必要がありますが、一度にすべてを表示すると、顧客が必要な情報を見つけにくくなり、圧倒される可能性があります。その結果、購買体験が低下し、離脱の原因となることもあります。
この課題を解決する方法のひとつが、タブ切り替えテンプレートの活用です。情報をカテゴリごとに整理し、1つのコンテンツボックス内で切り替えられるようにすることで、顧客は必要な情報に素早くアクセスできます。この仕組みにより、詳細な情報をわかりやすく整理しながら、視覚的に魅力的な製品ページを維持できます。
以前は、こうした機能を実装するには専門的な技術スキルが必要で、開発リソースの確保が課題でした。しかし、メタフィールド管理ツールを活用すれば、ビジネスオーナー自身が拡張フィールドを作成し、コードをコピー&ペーストするだけで簡単にタブ切り替えを統合できます。これにより、手間をかけずに製品説明を整理し、顧客の購買体験を向上させることが可能です。
関連資料のダウンロード機能を追加
商品詳細ページには、すべての情報を直接掲載することが難しい場合があります。例えば、取り付けマニュアルや素材の詳細情報などは、ページ上で説明するよりもドキュメント形式で提供したほうが、顧客にとってわかりやすく、利便性も向上します。
メタフィールドを活用すれば、簡単に製品に関連する資料のダウンロードリンクを追加できます。これにより、顧客はリンクをクリックするだけで、必要な情報をドキュメントとしてダウンロードし、ローカルで閲覧できます。詳細な情報を整理しつつ、ストアのユーザビリティ向上と顧客満足度の向上につなげることが可能です。
関連商品レコメンド機能の追加
データによると、商品詳細ページに関連商品のレコメンドを表示することで、顧客の閲覧時間が増加し、ストアの平均取引価値(AOV)が向上することが分かっています。
以前は、関連商品を表示するには専用のアプリが必要でしたが、メタフィールド管理ツールを活用すれば、追加のアプリを導入せずに、簡単に関連商品のレコメンドモジュールを作成できます。
メタフィールドを使えば、商品、カテゴリ、顧客、注文、ブログ、ページ、ストアなどのリソースに拡張フィールドを作成し、特定の情報を保存できます。また、管理者APIを通じてCRM、IMS、ERPなどの外部システムと連携し、データのやり取りをスムーズに行うことも可能です。これにより、SHOPLINEストアと他のシステムの統合が強化され、データ管理がより便利になります。